生命保険の一般知識
保険料の仕組み
保険料は、予定死亡率・予定利率・予定事業費率という3つの予定率にもとづいて算定されています。
過去の統計をもとに、男女別、年齢別の死亡者数を予測し、将来の保険金の支払いにあてるために必要な保険料を算定しますが、この計算に用いる死亡率を予定死亡率といいます。
保険会社は資産運用によりあらかじめ一定の運用収益を見込み、その分保険料を割り引いていますが、この割引率を予定利率といいます。
保険会社は保険業の運営上必要とする経費をあらかじめ見込んで保険料の中に組み込んでいますが、この割合を予定事業費率といいます。
↓ ↓ ┗→→→→
↓ ↓ ←←←←┛
保険料の払込方法
保険料の払込方法には、払込回数や払込経路によって次のような方法があります。 払込方法により、保険料の額が低くなったり、保険料の割引を受けられたりしま すので、ご家庭の収入サイクルなどに合った方法を選んで、上手に活用してください。
払込方法には次のような方法があります。
月 払
保険料を毎月払い込む方法です。
半 年 払
半年ごとに払い込む方法で、年間保険料は月払に比べ安くなります。
年 払
年1 回払い込む方法で、年間保険料は半年払に比べ安くなります。
一 時 払
契約時に保険期間全体の保険料を一時に払い込む方法で、年払に比べ保険料総 額が安くなります。
前納・一括払
予め数回分の保険料を払い込む方法です。この場合、所定の割引があります。
ボーナス併用払
ボーナス時(年2 回)に保険料を増額して払い込む方法です。この場合、毎月の 保険料負担が軽減されます。
頭 金 (一部一時払)
契約時にまとまった資金を活用して保険金額の一部に対応する保険料を一時払 いとする方法です。この場合、以降の保険料負担が軽減されます。
※前納・一括払の場合、保険金の受取などで契約が消滅した場合には、払込期月(13 頁参照)が到来していな い部分の保険料は払い戻されます。これに対し、一時払や頭金(一部一時払)の場合、保険料の払い戻 しはありません。
また、払込経路の主なものは次のとおりです。
ロ座振替扱
金融機関の口座より自動的に引き落とす方法
団 体 扱
勤務先等の団体で給与から引き去る方法
集 金 扱
保険会社の派遣した集金人に払い込む方法
送 金 扱
保険会社が指定した金融機関の口座に、振込用紙などを用いて送金する方法
配当金の仕組みについて
保険料は3 つの予定率をもとに計算されていますが、実際には予定したとおりの死 亡者数、運用利回り、事業費になるとは限りません。予定と実際の差によって剰余 金が生じた場合に、剰余金の還元として契約者に分配されるお金のことを配当金と いいます。このように、生命保険の配当金は、株式の配当金や預貯金の利息とは本 質的に性質が異なり、保険料の事後精算としての性格を持っています。
生命保険には、大きく分けると、配当の分配が有る保険(有配当保険)と、分配 が無い保険(無配当保険)があります。
◇有配当保険
毎年配当タイプの保険
毎年の決算において、予定率と実際の率との差によって生じる損益を集計し、 剰余が生じた場合に、配当金として毎年分配する仕組みの保険。通常、契約後 3 年目の契約応当日から毎年支払われます。
5 年ごと利差配当付保険
予定利率と実際の運用成果との差によって生じる損益を、5 年ごとに通算し、剰 余が生じた場合に、配当金として5 年ごとに支払われる仕組みの保険。契約後6 年 目の契約応当日から5 年ごとに支払われます。
※有配当保険については、長期間継続して死亡や満期により消滅した契約などに 対し、「特別配当」が支払われることがあります。
◇無配当保険
配当の分配のない仕組みの保険。保険料の算定に使用する予定率を実績に近づ けて計算するため、保険料は有配当保険より安くなります。
配当金は確定したものでなく、毎年の決算の結果によって変動するものです。生 命保険の保険料は、あらかじめ予定利率による運用収益が割り引かれており、実 際の運用収益が予定を下回るなど剰余が生じなかった場合には、配当金がゼロになることがあります。
配当金の受取方法
配当金の受取方法には4つの方法があり、どの方法で受け取るかは契約時に選択してください。
積 立
配当金を保険会社に積み立てておき、保険金や解約返戻金と一緒に受け取る方法です。 所定の利息がつきます。途中で引き出すこともできます。
買 増
配当金を一時払いの保険料として、自動的に保険の買増しに当て保険金を増額する方法 です。死亡時の保障を増やしたり、満期時の保険金を増やす方法などがあります。
相 殺
配当金を保険料から差し引く方法です。
現 金
配当金を現金で受け取る方法です。
●生命保険会社や保険種類によっては受取方法があらかじめ指定されている場合もあります。
●生命保険会社や保険種類によっては契約時に選択した受取方法を途中で変更できる場合もあります。
●変額保険の配当金受取方法は上記の方法とは異なります。