地区活動もやっと慣れて訪問するお客さんも少しだけ増えた頃、事件がおきました。
その日はとても暖かい小春日和の日でした。
『今日も頑張るぞ』といきこんで地区へ向かいました。
私のいっている地区は都心中心部に近い所で、高級住宅が並んでいる割にはのどかな雰囲気の所です。
いつもの場所に車をとめ、いつものルートをテクテクと歩いてた。
気分良く歩いていたが背後に異様な圧迫感を感じ、ふと振り返った。
一台の白い車でした。
『あっどかなきゃ』
ドアに会社のマークがはいっていた様なので営業車だったでしょう。
歩行者側を歩いてたんですが割合い細い道だったのでさらに道のふちへとよっった。
充分車が通れるスペースの筈なのに通過しない。
『おかしいなぁ、歩行者の私を抜かずにのろのろと・・・』
まるで私をつけているかの様です。
暫くしてふと私の横にその車が並び視線を感じたのでチラッと運転席を覗いてみました。
『キャッ!!』
30〜40歳くらいの男性でした。
・・・下半身がなんか変です。とても書けません。
強いていうなら片手運転をしていました。
一瞬自分の目を疑いましたがこれは現実なんだと我に返りました。
ここで不審なリアクションをしてはいけないと思い少し小走りに前方を直視してひたすら歩き続けました。
ところが一定の距離を保ったまま付いてくるのです。
どの角をまがっても細い道に入っても・・・
しだいに横に並ぶように車を走らせるようになったので『ヤバイ』と思い一方通行を逆に全力疾走しました。
『何なのよ、何なのよぉぉぉぉ!』
どれだけ走ったでしょうか、気がつくと自分の車に乗り込み会社に向かってかなりの速度で走っていました。
10分ぐらいの出来事だったと思いますがとても長い時間に感じられました。
今でも彼の笑顔からこぼれる白い歯が忘れられません。
真っ昼間から変質者にであってしまうとは・・・
一体私をどうするつもりだったのだろう・・・
今思うとその人度胸あったと思います。
だって会社の営業車だったし。
その会社に電話したら下手するとその人の人生終わっちゃったのでは?
なんにせよとても恐い経験でした。
若い女性の人、注意してネ。
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