先月の結果はいうまでもない。
取れない時はとことん取れない。
不思議なもので、気持ちの持ち方により、契約が面白いように取れる時もあれば、この2ヶ月のようにさっぱり何をやってもダメ…という感じになってしまう。
って…冷静に考えれば、、先々月も先月も成績は上げていたのですが…
控除件数が大きい為、マイナス。
…マイナス4.5件がマイナス1.5件になっても…給料は変わらないのよね。。
10月、ようやく(というが当たり前の事なのですが)控除がなくなり、やっとマイナス地獄から逃れられそう?とほっとしていたのもつかの間。
…営業部長から呼び出しがかかった。
部長「今までのマイナス件数と資格について話があるんだが..」
(うわ、来たぁ〜、、、わ、私だって言い分あるのよ。この際、相談してしまえ!)
設楽「はい...。ゆっくりお話をしたいので、別の場所で話をしたいんですが」
営業部内で話しをするには、感情が高ぶってしまう。
温厚なのり子でとおっているので、今までのいきさつを話すにはとてもこんな所で話をする気分にはなれなかったのです。
そう、私もマックスまで怒りが溜まっていたのです。
さすがにいつもの私とはオーラが違う・雰囲気が違うと思ったのか、営業部長の配慮で飲み屋に移動した。
<とあるのみ屋にて>
部長『何飲むか?注文どうする?』
設楽『あ、え〜と…』
部長『ビール2本、焼き鳥4本、◯◯〜…×△◆…、あ、後ほっけ持ってきて!』
!!!
わ、私まだ決めていないのに…速攻で注文を。。。
この時点で、横田営業部長に主導権(?)を握られてしまった気がした。
部長「で、なんだ、話とは?」
設楽「実は…」
私は今までのいきさつを話しはじめた。
契約の件、班員の不満など。
一通り話し終えた段階で、彼の意見を待った。
その意見は…私の期待を大きく裏切るものであった…
部長「ふぅ。。俺は設楽の事を少しかいかぶりすぎていたな。4月に会った時は、育成部をひっぱっていくだけの職員だ思っていたが、小橋リーダーのつけの契約のおかげもあったとは、、。」
設楽「・・・。」
…まぁ…図星なので何もいいかえせない。
部長「まったくここの営業所はすべておかしすぎる!」
ドン!
テーブルを強くたたきながら、ちょっと憤慨した様子で声が大きくなっている。。。
営業部長の不満もマックスだったらしい。お酒がはいった事もあるが、べらべらと勢い良くしゃべりはじめた。
営業部長「しかし、全営業部長も困ったもんだ。幽霊職員も3月で解雇する事もしないで。俺なんか、次ぎの営業部長の事も考えて、全部きれいにしていったぞ」
のり子は実は前営業部長のおかげで今までがんばってこれたと思っている人物である。
(前営業部長が交代しないよう総支社長に直談判したのは、美談として語られている)
のり子「前営業部長を悪くいうのは、止めて下さい。全営業部長のおかげで今残っている新人はがんばってこられたのですから」
前営業部長の事を良く言われるのは、現営業部長が好ましくないという事は、のり子も分かっている。
営業部長もこれにはかなりはらただしさを隠せなかったらしい。
営業部長「俺が今までどれだけ苦労してきたのか分かっているのか?俺が営業部長に着任してから、辞めるという職員が後をたたない。前営業部長が自分の成績の為に引き延ばしをしていたからだぞ。ここの営業職員は素直に話を聞かない・不備が多い・契約が続かない..全くどうなっているんだ」
のり子「全て小橋リーダーのおかげじゃないですか?」
営業部長が営業所を統括しているのは形式上で、実際は優秀営業職員などが影のどんといったケースは多いようである。
前営業部長も小橋リーダーには頭があがらなかったらしく(正確には、言う事を聞かない)独特なムードをこの営業所はかもしだしているようだった。
営業部長「小橋リーダーも感覚が麻痺しているんだな。彼女も可哀想な人間のひとりだ。会社から重大月には大きな件数をとる事を命じられているんだから。でも、その為にモラルを忘れてはいけない。俺はこの営業所の昔ながらの体質を変えて行こうと考えている。俺が来てから、不備も少なくなってきているだろ?小橋リーダーにも少しずつ教育しているし」
営業部長「彼女のつけている契約のほとんどは解約が多い。それも3ヶ月・6ヶ月1年持つ契約は少ない。班員が多くなって、本人が管理できなくなっているんだろうな。お前達も小橋リーダーに頼りきっているのもいけない。もう一度心を入れ替えてがんばってみたらどうだ?」
のり子「そう…ですね」
営業部長『よし。今月と来月とあわせて8件頑張ろう。そうすれば一番下の位で残れるからな』
のり子「!!!」
まるで死刑宣告でもいわれたかのような現実を突き付けられた。
『私達なんか、今までつけてもらった契約全部2〜3ヶ月で解約になったり減額になったりばっか。おかげで給料も下がりっぱなしで夜もバイトしてるんだから!』
前に畑口&前藤からきいた事が、またまた頭の中をグルグルまわりはじめた。。
(私、もう駄目かもしれない。だけど、今月は精一杯にやろう)
翌日より、心機一転、いつも以上に働いた。
が、現実というのは非常に残酷であった。
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