ある日、久しぶりに小橋リーダーにいつもの喫茶店によばれることになった。
小橋『のり子とお茶するなんて、久しぶりだな。営業部長が、変わるのなんて
初めての経験だと思うけど、仕事の方はどうだ?』
設楽『ええ。ほんとワンマンな方ですよね。朝礼の時間も、おちおち寝れませ
んね。わかばの声かけや今日のクロージングの予定まで毎朝1人ひとり
発表だもん。すごく縛られているって感じです』
小橋『今までのパターンがくずれるでしょ。私でさえも、朝礼中外にでること
ができないんだから。本当なら私達営業職員のほうが立場が上なの。私
達が契約をとらないと、あの方がお困りになるんだから。まあ、2〜3
年で変わるんだし、こんな方も中にはいるわね』
設楽『そうですか、、、。(だいぶ、絞られてるのかしら?)』
小橋『それはそうと、私達リーダーが月末にリーダー会議があることをしって
るか?その後の飲み会の席で営業部長がおっしゃったことで今日は話が
あるんだけど』
設楽『はぁ・・・』
小橋『私の班は職員が多いから、補佐を3人ほどつけろとの指示があったんだけどのり子やってみるか?』
設楽『えっ!?私できません。他にも畑口さんや前藤さんとか先輩にやってもらったらどうですか?』
*畑口&前藤さんは私よりも数カ月前に入社している。
小橋『一応話したんだけど、やる気はないらしい。あの子達も後輩の指導でも
して、少しは先輩としての自覚が出るとも思ったけど、あれはダメだ。
仕事にやる気を感じられないし、契約をつけても当たり前だと思ってる
し、しまいには文句ばかり。この際、営業部長におまかせしようと思っ
てるの』
設楽『???まかせるってどういう意味ですか?』
小橋『営業部長の班をつくるということだ。この班にいても他の子に悪い影響
を与えるだけだから、思いきって切ろうと思うの』
設楽『それはひどいんじゃないですか?』
小橋『私はこの班を運営している社長だ!他の社員のことを考えると、あの子
達ばかりに時間を費やす事も出来ない。みんな給料のために働いている
んだからな。班を出たあの子達に私は何もしないし、口も聞かない。そ
うすれば私の有り難みがわかるはずだ。のり子については営業部長はな
にもいわなかったけど、のり子はどうする?班をでたら、のり子にもな
にもしてあげないし、自分の力でなにもかもしていかなくちゃいけない
ぞ。同行もしないし。専門部に上がれば嫌でも班をでなくちゃいけない
んだから、もう少しここにいたらどう?』
出た!久しぶりの小橋節だ!
社長?
有り難み?
切る、切らない?
う〜ん。。。
まぁ少しは気持ちがわかるが、完全に自分の世界を作ってしまっている。
こうなると手がつけられない。
設楽『急にそんな事をいわれても、困ります。とりあえずいろいろ考えさせて下さい』
小橋『そうだな。一度考えて報告して。班は3つに分けてのり子の班はこんな
感じだ。(紙を見せる)のり子が欲しい子や嫌な子がいるんだったら、
いつでも変えてあげるからゆっくり考えて。これはのり子にとってもチ
ャンスなんだぞ。専門部のリーダーは、私が全部育てたんだから。のり
子も先々は、専門部のリーダーにするつもりだし、給料が50万もらえ
るんだから賢くなりなさい。リーダーになりたくても、私の推薦がなけ
ればなれないんだから。あなたは選ばれた人間なのよ』
設楽『、、、。(もう分かったから、早く私を自由にして)』
何故か小橋リーダーは50万にこだわるみたいだ。
こないだ畑口さんに給料の事聞いたので分かっている。
はっきりいってムリ。
こないだ計算して分かっている。
選ばれた人間?
はぁーーーー。。。
別にどーでもいいよぉ。
別にリーダーになりたいわけじゃないし。
・・・心の中では滅茶苦茶いいたい事があったが、ここは黙って聞いていた。
小橋『返事はなるべく早めにお願い。のり子が万が一、リーダーやらないんだ
ったら他の子選ばなくちゃいけないから』
万が一?
もう彼女の中では私がリーダーをやる事に決まっているみたいだ。
なにがどーなってこういう考えになったんだろう????
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嵐のような1日が過ぎた。
全く想像も出来なかった事態が今まさにおころうとしている。
「営業部長もワンマンだけど、小橋リーダーも負けてないよな。そういえば彼も彼女も、同じ血液型だったよね」
と、ひとりお風呂でつぶやく設楽であった。
そう、彼等は我が道をいくB型なんです。
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