●大きな声では言えない保険会社の裏事情 vol.19 00/11/19
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たくみです。
今週の日曜日、あるある大辞典で『生保特集』やるみたいです。
あと、今週号の『週刊ポスト』に生保の記事がのっていました。
共に『破たん』についてが主です。
ヒマだったら参考にどうぞ。
今日はちょいと難し目の内容を。
といっても、これは覚えておいてソンはないですよ。
『銀行と生保の比較(利回り)』です。
では、どうぞ!
☆銀行と生保の比較(利回り)
『今、銀行はヒジョーに低金利ですから・・・』
『生保の方がおトクですよ』
などと、勧められた事ありませんか?
が、生保もそれは同じ事。
下手すると銀行より悪い利回りだったりするし。。。
ちょっと話法というか、トリックを紹介します。
>◆予定利率とは??_____________________
『予定利率2.15%』等というのを見て、へぇ〜利回りいいやん!
というのは間違いです。
複利ではないですからねぇ。
勘違いしている生保のおばちゃんも多いです。
予定利率について説明していきます。
『保険会社は資産運用によりあらかじめ一定の運用収益を見込み、その分保険
料を割り引いています。この割引率を予定利率といいます』
と本に書いてあります。考え方としては割引債と同じ。
・利付債
1年ごとに配当が支払われる債券。100万円で年利回り1%の10年債な
ら、10年間毎年1万円の配当がもらえ、10年後に100万円の元本が返
される。銀行預金などと同じ考え方ですね。
・割引債
あらかじめ、利回り分が差し引かれている債券。100万円の債券が90万
円(例えば)で販売されている。90万円で購入して10年間寝かしておく
と、100万円になって戻ってくる。
この割引債と同じ考え方が予定利率なのですね。
『諸経費を計算し(営業の給料)、算出した保険料から2.1%を割り引く』
という事ですから、当然『利息がつく』という銀行の複利とは違います。
>◆払込みの120%といういい方・平均年利回り___________
『総払込が1000万で、その時の解約金が払込みの120%になります』
資産が1.2倍になるので、一見おトクに感じるかもしれません。
・年平均利回り
払込み20年で1000万→1200万=年10万増える
それは10%なので、平均10%の利回り。
銀行金利とくらべるとヒジョーに得の気がしますよね?
しかし、銀行金利である『複利』ではないんです。
>◆そもそも複利とは??_____________________
実はよく分かっていない人も多いみたいですね。
※複利とは※
1万円に対し例えば複利1%の場合、以下の様になっていきます。
1年目・・10010円(この利息を含めた金額に1%の利息を出す)
2年目・・10110円
3年目・・10211円
そう、利息も含めて計算していくんですね。
>◆複利と平均利回りの比較___________________
簡単に見ていきます。
1万を1%の複利でおいておいた場合の推移です。
経過
|
円
|
倍率
|
1
|
10100
|
1.01
|
2
|
10201
|
1.0201
|
3
|
10303
|
1.030301
|
4
|
10406
|
1.04060401
|
5
|
10510
|
1.05101005
|
6
|
10615
|
1.061520151
|
7
|
10721
|
1.072135352
|
8
|
10828
|
1.082856706
|
9
|
10936
|
1.093685273
|
10
|
11046
|
1.104622125
|
11
|
11156
|
1.115668347
|
12
|
11268
|
1.12682503
|
13
|
11380
|
1.13809328
|
14
|
11494
|
1.149474213
|
15
|
11609
|
1.160968955
|
16
|
11725
|
1.172578645
|
17
|
11843
|
1.184304431
|
18
|
11961
|
1.196147476
|
19
|
12081
|
1.20810895
|
20
|
12201
|
1.2201892
|
1%複利で20年で資産は122%になります。(1.2倍になる)
平均利回り10%と同じ意味ですね。
ヒジョーに混乱している人もいるでしょう。
が、一つだけいえる事は、『見た目の数字にまどわされるな!』です。
>◆まとめ__________________________
一度、複利で計算してみる事をお勧めします。
20〜30年もおいておけば、資産が1.2倍とかになるのは当たり
前という事に気付いて下さい。
電卓を用意しましょう。
1%複利の28年後には資産が何倍になるか?
1.01を28回かけるのです。
1.32・・・という数字になりましたか?
そう、これは『1%複利でまわした場合、資産は約1.32倍になる』
という意味なんです。
一度自分の貯蓄商品といわれる保険、調べてみて下さい。
支払い総額・・・月払い×12ヶ月×支払い年数
受取り総額・・・どこかにかいてあります
例として月1万の養老10年払いで満期150万というものをあげます。
支払い総額・・・1万×12×10年=120万
受取り・・・・・150万
150万÷120万=1.25倍
この場合複利は2.51〜2.52%となります。
(1.0251を10回かけると1.25になる)
※今はこんなにいい確定商品はないですね(笑)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と、説明しましたがわかりますでしょうか?
珍しく(?)まともにかきました。
これでも元々理数系ですからね。
生保のおばちゃんは、これを理解しているんでしょうか?
ここ5年の間に年金等を入られた人、一度計算してみてください。
笑っちゃうような『金利』でっせ。
会社の破たんリスクも考えると、ねぇ。。。
当然、今年金に入るのは『ムダ』ですよ。
ではでは。
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