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たくみの営業暴露日記?(7)
ここで8月の行事の一覧を。 5日…入院にて休み。 8月の予定表をみたとたん、目眩すら感じた。 (30日のうち、動けるのが11日?土日を省いたら…7日?どうやって契約取れっつ〜ねん?) 自分の場合は入院にて5日少なくなっているので、他の人より活動可能日数は当然少ない訳ではあるが、本来8月とは非常に活動日数が少ない難しい月といえるのである。 まして、7月に見込みを殆ど取り切ってしまい、かつ7月後半は入院していた事もあり、いわばゼロからのスタートを余儀なくされている加藤にとって、この活動日数の少なさは致命的ともいえた。 施策旅行前にはこんな会話も。 「勝野リーダー、施策旅行、サボってもいいですか?」 7月後半こそ、入院するハメになったものの、結果的には加藤の成績は新人の中では郡を抜いていた。実際、加藤は勝野をはじめとする、男性の先輩より叱咤されていた事もあり全く気付かなかったのではあるが… 現に、新人でトップの成績でありながら、営業部長に「すいません、ノルマ達成出来ませんでした」と申し訳なさそうに報告したものである。 ちょっと前までは、タダ飯食えるという事で喜んで食事会にいっていたものであるが…今の加藤にとっては時間の無駄以外何も感じなかった。 (はぁ…どうやって…今月動こう…) 思わずため息をつく加藤であった。 少ない活動時間の中、やみくもに、飛び込みアンケートを敢行する。 幸運にも、「丁度保険を考えようとしていたんだわ」というラッキーな所2件にあたる事が出来た。さすがに「考えている」と相手の口から出る家は速攻で話が決まる。 (ふぅ、なんとか2件になったか…) 奇跡的にもこの日数にて新人ノルマを達成したか…に見えた。 <診査落ち> 1人のお客さんは奇遇にも加藤と同じ名前の加藤さんという方だった。 「勝野リーダー、部位不担保のP増しって書いてありますけど、これって何ですか?」 四十歳を少し過ぎた年齢という事もあり、ただでさえ提示した保険料は安いとはいい難かった。それに2割増しなんて… 「ま、とりあえずありのままをお客さんの所にいって話をしてくるんだな」 案の定、加藤さんはこの条件では飲めないという事になり、契約は流れる事に。 「うぉい、加藤!ノルマ未達成だったなぁ。何たるんどるねん!」 まぁ、なんとも強引な意見をいうのは、大森支部長であった。 <余談> 「おぉ、加藤、今日のみにいこうか、お前のおごりで」 〜銀行にて〜 「!!60万近く入ってました」 4件はしご、飲むは飲むは… <挿話> 〜診査落ちの帝王〜 連載以上に、自分は診査落ちが多かったです。(診査落ち=条件が診査でついてしまう契約) まぁ…おかげさまで(?)、条件緩和の方法やら不思議な事を1年目から覚えるハメになった…んですがね。。一番自分がショックだったのが…昔常連さんだった「早乙女氏」の契約。 「医師の診断書がなくても、お客さんが口にした以上、同様の条件つける」 精神系は…特に条件厳しいんです。で、医師も診断書なんぞ書いてくれません、「この人は自律神経失調症じゃないと証明する」なんて。。 えぇ、、彼の契約はこれも原因で1年以上の間をあけるハメになってしまいました。。 〜飲み代〜 基本的に自分は勝野に奢ってばっかりいました。彼曰く「部下に対し上司が銭出すのは当然だ」だそうで、割り勘という意見も頑に却下してました。ひとえに「飲み代」と書いても、今からみても尋常ではなかったです。何せ夕飯が「居酒屋」で、飲みが別の場所でしたから。
<魔の8月〜時間がない!〜>
3日…施策旅行にて休み。
5日…お盆休み。
3日…昼間から施策の食事会×3回。
3日…7月に契約を取ったお客さんの診査等。
「アホか!お前、あの成績でも一応新人トップの成績だったのだから、いかなきゃダメだ!」
「じゃぁ、食事会は出ないとダメ…ですか?」
「これも当然だ!お前、壇上で何かしゃべらされる筈だしな」
「えぇ??」
なじみが出来ていない段階にて、そうそう速攻で契約に結びつく事はない事は過去の動きで分かってはいるものの、他に手段はなかった。
が…アクシデントが加藤を襲う事になる。
いつものように、会社指定の医者へ診査をしにいった。
ごく普通に終わったかに見えたが…数日後、見なれぬ結果表が加藤の連絡ボックスに入っていた。
「あちゃ〜、加藤さん条件ついちゃったか…」
「え?どういう事ですか?」
「いや、な。部位不担保とは、この人の場合だったら腎臓に関係する病気だったら保険は出ないよ、という意味で、P増とは保険料が通常より高くなるよ、という事なんだな」
「えぇ?それじゃ提示した保険料より高くなるという事ですか?」
「そうだな…この人の場合だと…2割り増しだな…」
「えぇ???」
しかも、部位不担保なんて…
「…これじゃ、やらないっていうかもしれないですね。。」
「まぁ、それはしょうがないわな…」
その為、加藤は結果的にノルマ未達成となってしまった。
「いや、ホントは達成出来たはずなんですが、1件流れた…」
「いいわけするな!だったら予備に後2件くらい取っておけばよかっただろう!!」
「…はい、すいません」
「来月はノルマの倍やれよ、いいな!!」
「!!何をいうんですか…」
「だって、お前、今月給料たんまり出ただろう…」
「え?いつも20万程度っすよ」
「だ・か・ら、先月お前1億近く取っただろう。恐らく50万くらい給料あるぞ」
「えぇ?またまたぁ。ホントにそれだけあったら、奢りますよ」
「おっしゃ、銀行いこう!」
「ははは、今日はお前のおごりな。おし、今日は長い夜になるぞ!!」
午前4時にお開き。
1晩で実に20万程…財布の中から出ていった。
これが…営業の仕事のだいご味…なのか??
一時期ついた呼び名が、診査落ちの帝王。
一時期3契約連続で診査にひかかったという時には何かにのろわれているのか?とすら考えた程。
えぇ、、当時彼は全くといっていい程無知でして…しかも不思議な言い回しを多様し、、風邪で熱がでた事を「自律神経失調症で熱が出た」なんて表現使ってしまったんですね。早乙女氏曰く「風邪って原因が不明だろ?だから自律神経失調症という表現は正しいはずだ」なんてお茶目な事を熱弁してました。。
一時期、年収の倍程度のみ代に使っていたというのだから、、とんでもない話ですな。
ま、、こんな生活してたりしましたので、当時はマトモだと思っていた自分の金銭感覚は徐々に「異常」になっていました。…それでもまだ「マトモ」な方だったとは回りから比較すればいえた…でしょうかね。。
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