猿山の猿とゆう感じで皆しばらくは、彼に感心があるようだ。
私も女子高から女しかいない職場とゆうように、男性にはあまり縁がなかったので、彼の行動にはかなり興味があった。
とても行動力があるお方らしく、一ヶ月も立たない内に会社の中で模様替えが行われた。
もともと私達の部署には二つ部屋があった。
一つは営業職員の机がある通常業務の行われている部屋、もう一つは会議兼倉庫の部屋だ。
とてもきれい好きな(?)彼は、休日に男性職員を使って倉庫部屋のロッカーをこちらのへやに移動させた。
季節外れの大移動に、みんなのブーイングはおきたが、部屋が整頓されるのは監査以外こんな時しかないと渋々ロッカーの整理をさせられた。
きれいになった倉庫を見た彼は、何を血迷ったのか次の日には、彼の私物のギターが置かれていた。
いったい何をしようとするというのだ?
この荷物を見て、不思議に思った営業職員はたくさんいるのだが、彼の性格を把握していない私達はつっこみたくてもつっこめない。
ある日の夜、あれは7:00すぎだった。
この時間帯はこくわずかの営業職員しか残っていない時間である。
我らの小橋リーダーは、このひもTELアポにせいをだしていた。
他のみんなはおしゃべりに集中していた。
彼は奥の部屋でなにやらしている様だ。
さぁて、もうそろそろ帰ろうかなと思い、部屋を出ようとした時、『設楽さんちょっと来て』と呼び止められた。
締めきりももうすぐなので、何かいわれるのかと少し憂鬱になりながら部屋へ向かった。
何故かそこの部屋にはたくみさんもいた。
(えっ、いったいなに?)
部長 『おっ、そこに座って』
設楽 『はぁ・・・(座る)』
部長 『どうだ、たくみ。このギターいいだろぅ。50万するんだぞ、これ』
たくみ『へぇ〜、すごいですねぇ』
部長 『いい音するぞぉ。ちょいと聴かせてやる』
そう、たくみさんが音楽(エレクトーン)をやっている情報を聞き、彼を呼びよせていたのだ。
ステレオみたいなのにギターを繋ぎ、かなりの音量でギターを弾きはじめた。
設楽 『へぇ、部長上手いですねぇ』
部長 『そうだろ、もっと聴かせてやる』
(えっ!?もう帰ろうとしてたのに)
よく上手いかどうか分からなかったが、とりあえず誉めておこうと思いそういったのだが、彼はノッてしまった。
音量をさらに上げて彼はまたギターを弾きはじめた。
30分、1時間・・・
終わる気配がない。。。
何かがふと頭をよぎった。
以前にもこういった人がいた様な...
あっ!
ドラエモンのジャイアン!!
気がつくと、その部屋に何人か来ていた、いや呼び寄せられていた。
誰も席を外さない、いや外せない。
たくみさん、眉間にシワをよせている。
他のみんなもそうだ。
小橋リーダーは・・・あっ、自分の席で頭を抱えてる。
眉間にシワをよせている。
かなりキテいる様だ。
時刻は8:30。
終わる気配がない。
たくみ『(小声で)お客さんのアポがあるっていって設楽さんだけでも逃げな』
!!!
神の声だった。
・・・私はその場から逃げることに成功した。
で、帰り際に小橋リーダーが一言。
小橋『・・・お疲れさんな。・・・なんとかしていね、アレ』
後から聞いた話では、そのリサイタル(?)は10:00まで続いた様だ。
気をよくして彼はまた今後もリサイタルを開くことだろう。
彼のワンマンぶりは今後も発揮される。
そしてついに、小橋リーダーと彼がぶつかることになる。
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